こんにちは、代表の山内です。
今日はU12やU 15のカテゴリーでゾーンディフェンスをする弊害についてお話ししたいと思います。
まず前提として日本はU15以下のカテゴリーでゾーンディフェンスが禁止とされています。
その理由はU12やU15でゾーンディフェンスをしてしまうと育成における弊害が多すぎることにより禁止されました。
今回は二つ取り上げたいと思います。
では一体どんな弊害があるのか一つづつ見ていきましょう。
①マンツーマンディフェンスが苦手になってしまう
もちろんゾーンディフェンスはエリアを守るディフェンスなので、マンツーマンディフェンスが上手になりません。
育成の原則としてよくやっていることが技術として伸びるので、もちろん一人でマークにつく、止める技術などは育ちません。オンボールディフェンスの強度が下がってしまうのです。
同時にオフボールディフェンスのアンネセサリーヘルプが増えてしまいます。
アンネセサリーヘルプとはいく必要のないヘルプのことを指します。
ゾーンはエリアを守るディフェンスなので、U12、U 15以下の年代はそれ以上の年代に比べて外のシュートの脅威性が落ちます。その年代ではドライブなどでのペイントタッチ(ボールがペイントに侵入すること)が減れば大多数のチームは相対的に得点も減っていき勝ちやすくはなります。
しかし、外のシュートがなくドライブの脅威性があれば無意識でも必要、不必要関係なくドライブに対してのヘルプする意識が選手の中で増幅していき、最終的にマンツーマンでも無駄にヘルプによってしまいがちになります。
アンダーカテゴリーではそんなに問題とは思えてなかったアンネセサリーヘルプが、上の年代にいくにつれて3Pの脅威性も高まり無駄にヘルプしてしまうため簡単に期待値の高い3Pシュートを打たれてしまい、オフボールディフェンスでの穴になります。
②ペイントのシュートフィニッシュが下手になる
ゾーンディフェンスをするとペイントのシュートが下手になるとはどういうことなのでしょうか?
今、日本ではゴール下のペイントフィニッシュの多彩さや巧みさというものが代表でも課題として挙げられてます。
要はブロックをされるのです。
アンダーのカテゴリーでゾーンディフェンスやゾーンプレスをすると育成年代ではまだパスを遠くに飛ばすための筋力や視野が未発達なので相手のオフェンスはターンオーバーが増えて、そこから相対的にイージーレイアップ(ゴール下の何も負荷のかからないレイアップ)が打て得点に繋げることができます。
試合中で簡単なワンツーステップのゴール下のシュートばかり打ち、競り合ったレイアップ、ブロックに来た相手をどうかわして打つか、などはあまり経験せずにカテゴリーが上がり、国外ではブロックをかなりされてしまうということなのです。
加えて日本は昔は「ブロックに飛ぶな」という文化もあり、その側面も相まってペイントのシュートが上達しない現状が生まれてしまったのではないかと言われています。
現に東京オリンピックでは日本はシュートブロックを他国よりもかなりされています。
まとめ
U15以下でのゾーンディフェンスは勝ちやすくなる反面、将来への育成がなかなか難しくあります。
アンダーカテゴリー指導者は現在だけの勝利だけではなく、選手の未来に向けて育成を求めれるようになると日本のレベルアップにもなるかと思われます。
JBAが出している指導内容指針案には将来の勝利に向けてどの年代でどんなことをすればいいのかが描かれているので、ぜひ参考にしてみてください。
https://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/game-model-part_document01.pdf JBAユース育成コーチ研修会資料参照